英語力が伸びない理由とその対策
Q1. 英語力がなかなか伸びないのは、自分の能力不足でしょうか?
あなたは、自分の英語力が伸び悩んでいるのは、「自分の能力不足が原因」だと考えているようですが、それは違います。そのように考えるのはすぐに止めてください。そう考えている間は本当の問題に向き合うことができず、絶対に英語は上達しないからです。
あなたのスコアが伸びない原因は、あなたの能力や努力とは別のところにあるのです。それは、どういうことかと言いますと、大変率直な言い方で申し訳ありませんが、「あなたは今、効率の悪い学習法によって、ムダな努力をしている」ということなのです。
例えば最近、よく耳にする次のような学習法があります。
「子供が言葉を覚えるのと同じ方法で・・・」
「シャワーのように、ただ聞き流すだけで・・・」
本当に、そんな方法で学習効果が上がるでしょうか?
確かに、どこの国の子供も、自然に母国語を覚えます。あなたも私も経験済みのことです。しかし、それは子供だからできることで、大人になってからでは無理なのです。なぜなら、次に述べるように、条件が違いすぎます。
- 【1】 日本人の大人は、すでに日本語という母国語を身につけています。その体に染みついた日本語の言語認識が、外国語の進入に対して強く干渉し、外国語学習の邪魔をします。
- 【2】 さらに、日本人の大人は、学校教育によって知識偏重の「受験英語」や訳読偏重の「使えない英語」を身に付けてしまっています。これが意外と大きな障害となっています。
- 【3】 大人と子供では脳の働きが違います。特に壮年期を境に記憶力は減退していきます。。
- 【4】 そして、決定的に幼児と異なるところは、大人には「時間」が無いということです。
赤ちゃんが生まれてから、小学校に入学するまでに、母国語に触れている時間が約3万時間あります。それに比べて日本の大人の英語学習時間は、せいぜい1日2時間取れればよい方でしょう。3万時間を消化するのに、何と40年もかかります。
いかがですか?「子供が言葉を覚えるのと同じ方法で・・・」のやり方には、大きな錯誤があると思いませんか。これでは、どれだけ「ムダな努力」を続けることになるか分かりません。
では次の「シャワーを浴びるように、毎日聞き流すだけで・・・」という学習法はどうでしょう。
学習者にとって、意味のわからない英語は一種の雑音です。雑音としか聞こえない英語をいくら聴いても、英語がわかるようにはならないでしょう。
そもそも、雑音は生理的に受けつけられないもので、フラストレーションが溜まるだけです。そのような学習法を長く続けることには無理がある、と言わざるを得ません。
このように一見筋が通っているような学習理論も、実は現実的でないことが多いようです。
では、私たち大人の日本人は、どうすれば英語が上達するのでしょうか?
その答えは、「大人には大人の学習法がある」ということです。
外国語の習得には、記憶力が重要な役割をすることは当然ですが、大人には「記憶力の減退」を補って余りある能力があります。
例えば、「理解力」は年齢を重ねるに従って強化されます。理解して覚えたものは、確実に脳に刻み込まれ、忘れにくいものです。ただ、暗記するのではなく、「論理的に理解する能力」をフルに生かした学習法が、大人には向いているのです。
Q2. 「学習効果が上がる教材かどうか」の見分け方は?
実は、「学習効果が上がる教材かどうか」を見分けるのは、あんがい簡単です。
それは、「本当に実績を上げている学習法を選ぶ!」こと、ただそれだけでOKです。
書店に行けば、英語学習の本があふれ、インターネットを開くとたくさんの教材、学習ツールが氾濫しています。そこでは、それぞれに独自の学習理論や学習方法が展開されており、いったいどれが有効なのか、何を選んだらよいのか判らなくなります。
しかしポイントは、「本当に学習効果が上がるか?」ということです。教材の良し悪しを見分ける方法は、特に難しくありません。「”実績”があるかどうか?」を見ればいいのです。
「実績がある」ということは、「効果が出る教材」であることの唯一の証明です。
そして、”実績”とは、実際に多数の「TOEICスコア大幅アップの実例」があり、たくさんの「学習者の成功体験」があることです。
この観点から教材を選べば間違いはありません。本当の”実績”を公表している学習法を選んでください。これが、英語上達の第一歩です。
Q3. なぜ、日本人は英語に弱いのですか?
ここで、日本人が英語に弱い「本当の理由」を抑えておきましょう。この点を明らかにしておかないと的確な対応が出来ません。このポイントと真正面から取り組んでいない教材は、問題から逃げているのであって、学習効果が上がるはずはありません。
さて、日本人の英語力は、諸外国に比べて、非常に低いと言われています。TOEFLの実績でも、アジアの近隣諸国の中で、最低レベルです。しかし、日本国民の教育レベルや英語の学習環境は、世界的に見てもトップクラスです。
- *私たちは、中学・高校だけでも6年間英語を学習しています。
- *駅前には、「英会話スクール」が並んでいます。
- *インターネットや書店には「英語教材」が溢れています。
- *ラジオやTV番組にも、毎日「英語のレッスン」が流れています。
- *町の至る所に「塾」があり、幼稚園には「英語のクラス」があります。
- *国を挙げて、資格試験を応援し、TOEICの受験者数では、世界の60%を日本人が占めています。
- *様々な「留学」ルートがあり、数多くの斡旋業者がおり、簡単に留学も可能です。
それにもかかわらず、英語をコミュニケーションのツールとして使いこなせる人は、ごくわずかしかいないというのが現実です。
本来、日本人の素質は非常に高いはずです。現に、日本は優秀な人材を数多く輩出し、資源の乏しい狭い国土で、世界第2位の経済大国を築いているのですから。
その日本人が、なぜこれほど英語が苦手なのでしょうか?
それは、次のような、「日本語の”特殊性”」に原因があります。
- 1. 日本語と英語では、「語順」が大きく異なる。
- 2. 日本語に比べて英語の音韻は大変多く、音が変化したり、消えたりして「発音」が複雑である。
- 3. 日本語と英語では、まったく異なる「文字」を使い、文字認識も違う。
このように世界的に見ても、日本語はきわめて特殊な言語体系を持った言葉なのです。
つまり、「英語と日本語は、世界で最も大きな隔たりを持つ言語である」ことが、日本人の英語習得を難しいものにしているのです。
日本人の英語下手の原因は、決して日本人の能力が劣っているからではありません。また、怠けているからでもありません。
フランス人やドイツ人が英語を学ぶときには、ただ「言い換え」で済んでしまうところを、日本人が英語を学ぶ場合は、言語認識そのものを変えていく必要があるのです。
英語は、日本人にとって、もともと”習得し難い言語”なのです。
教材を制作する側も、この点をよくわきまえていないと、本当に効果の上がる教材は作れないのです。
ところが、市販の多くの教材は、この本来の難しさを直視することを避けています。ですから、「ただ聞き流しているだけで・・・」などという安易な学習法が、まかり通っているのです。ここは、非常に大切なところで、教材を選ぶ時の最重要ポイントです。
「日本語の特殊性」の中でも「語順の問題」は、その重要性を見落とされてしまいがちですから、注意する必要があります。「文字の違い」や「発音の違い」は誰にでもすぐに分かりますから、自分の習熟度に応じて、それなりの意識を持って学習できます。
ところが、「語順の問題」については、自分がどれだけ認識し、どれほど対応できているのか、なかなか分かりにくいのです。中には、「語順の問題」を全く意識していない人さえいます。
つまり、「語順の問題」をおろそかにしていることこそ、日本人の英語下手の最大の原因なのです。あなたも、まず「語順の問題」の重要さを認識しなければ、英語力を飛躍させることは難しいでしょう。
Q4. 「語順の問題」が、なぜ重大なのですか?
私たち日本人が言葉を作っていくとき、意味を表す単語を「助詞」などでつなぎ合わせていくのですが、英語にはそういう概念はありません。世界的に見ても、こういうタイプの言語は、きわめて特殊なのです。
しかし、反面、このお陰で日本語は、あまり「語順」を意識しなくても意味が通る、便利な言語となっているのです。それに対して英語は、語順で意味を取っていく語順重視の言語といえます。
ですから、日本人が英語を学習するとき、まず、その「助詞などでつなぎ合わせていく」という習慣を、取り払ってしまわなければなりません。そして「言葉をどう並べていくか」という考え方に切り替えていく必要があるのです。
英語と日本語の語順の違いを端的に表すのが「動詞」の位置です。「日本と日本語大論争」の著者ジャック・ハルペン氏は次のように喝破しています。
「英語ではいつも動詞が先に出たがっています。ところが日本語では、いつも動詞が最後に来たがる。これが両言語の最大の違いです」と。
次の2つの文章を見てください。
<2.日本語> 私は、昨日、父がくれたところの本を、読んでいた。
この二つの文章は同じ内容ですが、文章の根幹である、主語(S)と述語動詞(V)の位置関係に注目してください。英語では主語のすぐ次に述語動詞「was reading」が来るのに対して、日本語では文章の最後に「読んでいた」と来ます。
このように、英語の特長は、「S+V」を先に持ってくることです。これに反して日本語は、まず付帯状況を細かく説明した後で、最後に動詞を持って来ます。
つまり、日本語では、理由を先に述べてから、結論を最後に言うことになりますが、英語は、真っ先に結論を言い放ってから、後でその理由を詳しく述べるのです。
また、日本語は、細部を説明した後で全体像を示しますが、英語は、最初に全体像を言ってから、その細部を後ろにもってきて説明します。
このように、私たちが英語を学習しようとするとき、「語順の問題」に対する認識を、根本的に転換しなければならないことがわかります。
そして、日本の教育現場では、この「語順の問題」、語順の違いの問題を解決する応急処置として、英語を日本語の語順に並べ替えて理解する「返り読み」という手法を取り入れてきました。
しかし、この「返り読み」の導入が問題を複雑化させ、日本人が英語が苦手になる大きな要因を作りました。なぜなら「返り読み」には致命的な欠陥があるからです。
それは端的にいうと、「返り読み」方式で英文を読むと、文頭から文末まで行ったり来たりして読むので、「あまりにも時間がかかり過ぎる」ということです。
ビジネスの現場で、英文の書類やメールを読むにしても、また、TOEICリーディング・セクションな問題を読むにしても、そんなに時間をかけていられません。このような「返り読み」をしている人は、ビジネスシーンにおいても英語資格試験においても、はかり知れない損失を受けることになります。
さらに「返り読み」の弊害は、実に恐るべき問題をはらんでいます。
それは、「リスニングができなくなる!」ということです。
なぜなら、リスニングは待ったなし!次から次へと相手の英語が追いかぶさって来るのに、その都度、文頭に戻って確認することなどできないからです。多くの日本人が、リスニングを不得手としていますが、その本当の理由は、このような「返り読み」の習慣にあったのです。
つまり、「返り読み」こそ日本人の英語下手の最大の原因だと言えるのです。
この「返り読み」の問題を解決するために<<SIM同時通訳方式>>が考案されました。
Q5. <<SIM同時通訳方式>>とは、どんな学習法ですか?
一般に日本人は、英文を読む際に「英語の語順」をいったん崩して、「日本語の語順」に置き換えて理解しようとします。これが「返り読み」です。「返り読み」は諸悪の根元で、英語を素早く読むことが困難になり、リスニングも苦手になってしまいます。この問題を <<SIM同時通訳方式>>が解決します。
<<SIM同時通訳方式>>では、英語を「返り読み」せず、文頭からセンスグループ(意味の取れるまとまり)ごとに、「英語の語順」のまま聴き取り、読み下していきます。この方法でトレーニングを積むと、英米人のような「ネイティブ思考法(英語の思考法)」が容易に身に付きます。
そもそも英米人は、母語である英語を理解するときに「返り読み」などしません。彼らは無意識のうちに、英語を「英語の語順」で、センスグループごとに、聞いたり、読んだり、話したりしているのです。<<SIM同時通訳方式>>は、このような英米人の思考法を、そのままなぞる方法です。ですから、極めて自然で無理のない英語理解の仕方だと言えるのです。
スーパーエルマーが、これまで多くの英語学習者の間で成果を上げてきた理由は、この<<SIM同時通訳方式>>にあります。スーパーエルマーでは、<<SIM同時通訳方式>>を、Hop,Skip&Jumpという独自の方法でトレーニングします。
Q6. 「ネイティブ思考法が身につく」とは、どのようなことですか?
「ネイティブ思考法(英語の思考法)が身につく」とは、ひとことで言うと『英文を英語の語順のままで感じ、「英語の語順」で考えることができる』ということです。
<<SIM同時通訳方式>>とは、端的にいうと、「ネイティブ思考法(英語の思考法)」を身に付けるための学習法です。
<<SIM同時通訳方式>>で「ネイティブ思考法(英語の思考法)」が身につくと、英語を聞くときも読むときも、日本語の語順に直さないで、センスグループごとに「英語の語順」のまま理解できるようになります。
また、話すときも書くときも、日本語で考えたものを英語に直すのではなく、英語が「英語の語順」でスラスラと出てくるようになるのです。